2023.04.05
ガンになった70代の母親の介護〜4つのフェーズを活かして〜
2023.04.05
ガンになった家族の自宅介護から看取りについて4つのフェーズに分けてお伝えしていきます。
【Bさんの相談内容】
・70代の母親がガンと診断され介護が必要となった
●ガンの介護:第1フェーズ
医療の発展によりガンの治療は入院期間が短くなり、放射線治療や薬物療法を通院でも続けることができるようになってきました。
・Bさんの母親もガンと診断されても通院治療を受けていたが…
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・急な体調不良により入院
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・精密検査の結果ガンの転移が見つかる
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・治療の継続は困難と診断され、自宅での緩和ケアに切り替える
こういった状況が起こると本人も家族もひどく困惑し動揺します。
【ここで大切なことは…】
・母親が自宅に戻る前に病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーに相談
・介護申請の手続きをして、必要なものを揃え自宅介護の初期体制をしっかり整える
●ガンの介護:第2フェーズと第3フェーズ
介護体制を整え、介護サービスも利用することになったBさんの母親
・順調に自宅介護がスタートがするも…
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・治療もなすすべがなく自宅へ戻ってきたことに母親のショックを受け、精神が不安定に
Bさんの母親は、人が死にゆくプロセスを5つの段階として科学的に捉えた「死の受容モデル」(アメリカの精神科医キューブラーロスによる)を辿っていきます。
・第1段階は「否認と孤立」
(自分の命が長くないことに衝撃を受け、頭ではわかっていても受け入れることができず感情的になってしまったり、その事実から逃避する段階)
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・第2段階は「怒り」
(状況を理解しても「なぜ自分はこんな境遇になってしまったのか」と周囲に反発をしたり怒りが込み上げてくる段階)
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・第3段階は「取り引き」
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・第4段階は「抑うつ」
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・第5段階は「受容」
Bさんの母親もさまざまな感情と向き合っていたと想像できます。
【ここで大切なことは…】
・家族が要介護者の感情の起伏に振り回されない
・家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや訪問看護師に自分の辛さや不安な点を積極的に相談する
・要介護者の人となりや、これまでの生活や好きことなどを関わる人たちに伝える
上記は良いチームを作りの要であり、ひいては介護サービスの強化につながっていきます。
●ガンの介護:第4フェーズ
ガンの第4フェーズは看取りの段階になります。
・体が痩せて細り、寝ている時間が長くなり、呼びかけても反応をしないことが増える
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・急激な変化に家族は目を離せなくなり、四六時中付き添いたくなるが…
【ここで大切なことは…】
・支える家族が無理をしない
・今まで通りの声かけをして、今まで通り介護サービスを受け、変わらない生活を過ごす
自宅で看取りたいと考えるなら、無理をして頑張るのではなく、母親が好きな音楽をかけて一緒に楽しむなど穏やかな最期の時間を過ごせる方法を探してみましょう。
●ガンに関する相談窓口
在宅医療の現場で長年活躍されてきた秋山正子氏が自身の経験からガン当事者や家族、関わるすべての方に支援が行き届くように設立したのが認定NPO法人マギーズ東京(https://maggiestokyo.org)です。こちらへ足を運んで、とても心が和らいだという話もあります。