2022.01.19

親が元気なうちからの相談で大幅に介護費用を圧縮

2022.01.19

親が元気なうちからの相談で大幅に介護費用を圧縮

 地域包括支援センターへの相談が後手後手となり「多額の介護費用」が必要となったケースと、早めの相談で「介護費用を圧縮」したケースをご紹介します。

【ケース1】
<一人暮らしの父親の心筋梗塞再発を心配して、見守りに月100万円の負担>
父が心筋梗塞で倒れる。

医師から再発リスクの説明を受け「何かあった時に誰かが見守っていなければ」と不安になる。

普段は元気な父は公的介護保険から補助が出る介護サービスは利用できず、仕方なく全額自己負担でヘルパーを雇う。

見守りのヘルパーに頼り切った生活から、身体機能が低下して、さらに見守りが必要な状態になる。

老人ホームへの入居は頑なに拒否。自費ヘルパーの終日利用で費用が月100万円となる。

<早めの相談で介護費用を圧縮:高齢となった親の生活リスクとの付き合い方を知り、月5,000円に費用を圧縮>
父が元気なうちから「もしも、家族が病気になった時の関り方」を地域包括支援センターに相談。

父が心筋梗塞で倒れ無事退院するが、再発リスクとの向き合い方を改めて地域包括支援センターに相談し「高齢になれば生活リスクはつきもの」「重要なのは親子の関係性が崩れない距離感」が重要と認識し、サポートを依頼。

介護保険で週1回掃除のためのヘルパー利用と、緊急時の通報ボタンを設置。

【ケース2】
<「お金がないから家族で」と支えた結果、高額な民間老人ホームに入居>
「お金をかけないように、まずは家族で」と、物忘れのある母を週末のみのサポートから始め、その後テレワークで実家に同居してサポート。

物忘れが激しくなった母から目を離せなくなるが、介護サービスの利用は頑なに拒否。深夜徘徊の対応で不眠となり、自分が先に倒れてしまう。

どこかの老人ホームに入居しなければ、と必死に探すが、すぐに入れる老人ホームは民間の有料老人ホームしかなく、入居金500万円、25万円/月が必要に。突然老人ホームへ入所した母は環境の変化に混乱し、認知症が進んだことを後悔。

<早めの相談で介護費用を圧縮:物忘れのサポートは家族だからこそ難しいことを知り、安心して任せられる介護体制を構築し、月5万円に費用を圧縮>

母の物忘れが気になったころから、電話で地域包括支援センターに相談。家族だからこそ、直接のサポートが難しいことを知る。

地域包括支援センターの職員が母親の元を訪問し、物忘れがあるものの、何とか自立して生活している様子を確認。

地域包括支援センターの職員が母から「食事の準備が大変」と相談され、安否確認を含めた宅配弁当を利用。

買い物途中で道に迷い、たびたびご近所さんに助けてもらっていたため、地域包括支援センターが付き添いのヘルパーを手配。ヘルパーとの会話を楽しんでいるので、おしゃべり仲間が多くいるデイサービスを紹介したところ、楽しく通い始める。

早い段階から地域包括支援センターなどに相談し、支える側の介護に対するリテラシーを高めることで、大幅な介護費用の圧縮ができるだけでなく、介護する側・される側にとってより良い生活環境を目指すことができるのです。