2021.03.03
離れて暮らす親に介護が必要になったら、近くに転居するべきか!?
2021.03.03
変わりゆく親の姿を目の当たりにして「後悔しないためにも、できる限りのことをしよう!」と、つい感情的になり冷静な判断ができなくなります。そこで、地域包括支援センター、ケアマネジャーなど、介護のプロに相談をして、今の状況を客観的に捉えた冷静な判断ができる体制作りを心掛けましょう。
■Case.1:父親が認知症かも?
認知症がひどくなる前に、自分が話し相手になり、脳トレなどを一緒にやるべき?
⇒プロのアドバイス
認知症の方との関わりは「否定せず、ゆっくり話を聞く」「落ち着いた口調で関わる」「昔の話を興味深く聞く」などが必要で、感情的にならず冷静でいることが大切。ただ、家族は元気だったころの落差に苦しみ感情的になりがち。介護は家族で抱え込まず、他人であるプロのサポートが有効です。
■Case.2:一人暮らしの母親の食事が心配
「食事の支度が面倒」と、スーパーの総菜で1食だけの日もあるという母親。健康上も良くないので、近くに移り住み、食事の世話から始めようと思っている。
⇒プロのアドバイス
健康状態に問題がなければ、1食だけでも一人暮らしの状況に適応した結果とも言えます。また、栄養バランスの取れた宅食サービスは、健康維持と安否確認にも活用できます。
■Case.3:転倒を繰り返す父親
転倒を繰り返す父親。「日曜日は競馬場に行きたい」と言うため、毎週末に帰省して、競馬場に行かないように見守りをしている。交通費が負担とあり、同居も考え始めた。
⇒プロのアドバイス
「競馬場に行きたい」というのは、生活意欲を引き出す大切な目標と捉え、ケアマネジャーが外出支援のヘルパー(※原則介護保険対象外)による付き添いと、リハビリに特化したデイサービスに通うことを提案。それらを「競馬場に行くためなら」と受け入れ、リハビリに取り組んだ結果、転ぶ回数が減り、競馬場通いを続けることが可能に。
●遠距離のメリット
家族が直接関わると「こうあって欲しい」という思いが先行して「親が老いていく生活の中で何を大切にしたいのか」を考えることが難しくなり、親子関係が悪化することがあります。
「一人にしておけない!」といった感情的で一時的な判断で親のサポートに入ると、“やりすぎ介護”となり、結果、あなたに過度な負担がかかり、自身が倒れてしまうことも。客観的な判断をプロと一緒に行い、親にとってベストな選択をしていただければと思います。