2021.02.03
『カイゴのギモン』を解決しよう!~脳梗塞編~
2021.02.03
以前のコラムでは、介護などに不安を抱えている働く世代の人に向けて、当法人が作成した小冊子『カイゴのギモン』から、「認知症」についてお伝えしましたが、今回は「脳梗塞」に関するお話です。
『カイゴのギモン』は当法人のHPより、無料でダウンロード可能です。ぜひご活用ください。
●介護のきっかけとなりやすい ケース2:脳梗塞
日本人の死亡原因の第4位が脳血管に関する病気であり、その多くが脳梗塞です。高齢者が要介護状態となる原因としても、常に上位に挙げられています。
改めて解説いたしますが、「脳梗塞」とは、脳のある部分で血液の流れが止まり、必要な血液を得られない箇所の細胞が死んでしまうこと。脳の細胞はほとんど再生しないため、命が助かっても、後遺症が残ってしまいます。
引用:JPALD.(一般社団法人 日本生活習慣病予防協会)脳梗塞より
初期症状の例としては…
・手足のしびれや麻痺
・ろれつがまわらない
・上記が時間とともにひどくなる
などが見られるようになったら要注意!です。救急車を呼ぶなどして、早めの受診をおすすめします。
●発症後にリハビリを嫌がるときは、、、
脳梗塞を起こした人がリハビリを嫌がる場合、「正しい理解」は1~3のどちらでしょうか?
1. 怠けているだけ
2. 脳梗塞の後遺症の一つ
3. 優しい看護師さんに頼っていたい
答えは…
『カイゴのギモン』6~7ページの脳梗塞に関する「よくある誤解」と「正しい理解」を知り、よりよい関わりを目指していただければと思います。
●リハビリすればするほど、回復する?!
「退院したら、専門家からのリハビリが受けられなくなります。このまま動けなくなって寝たきりになると困るので、リハビリできる場所を探しています」という要望を良く伺います。家族として「脳梗塞になる前の生活に少しでも戻ってもらいたい」と願う気持ちは十分に理解できます。ですが、脳梗塞によってダメージを受けた部分が感情をつかさどっていたりすると、なかなか本人にやる気が起きないことがあります。
本人の気持ちが置き去りになったリハビリは、リハビリの効果が限定的になったり、本人と家族の衝突を生んだりします。本当にそのリハビリを本人が望んでいるのか、リハビリが回復に繋がるのか、冷静に考える必要があります。また、リハビリは行う内容よりも、その先に「孫と遊園地に行きたい」「友人と旅行に行きたい」といった、一人ひとりの想いに合わせた目標を持つことが重要です。家族だけで課題に向き合うのではなく、ケアマネジャーや理学療法士などのプロと一緒に、よりよいリハビリについて考えていきましょう。