2020.10.07
よりよい老人ホームの選び方とは?
2020.10.07
●老人ホーム入居への不安
老人ホームのずさんな管理や対応、職員による不適切なケアなど、入居者が被害を受ける痛ましいニュースを見ると、「プロに任せた結果がこれでは…」と、「できる限り家族が介護するべき」と考える方もいるでしょう。
●“時間”がなく冷静さを失うと…
それでも、私は「できる限り家族が介護するべき」という考えに、危機感を抱きます。なぜなら、家族だけで介護を抱え込んでストレスや疲れをため込んだ結果、つい声が大きくなる、手元が荒くなる、支える側が先に倒れる、などしてしまうこともあるからです。
そして、家族がギリギリの状態で冷静さを失い、“時間”なく「すぐに入所できる」ことを最優先に選んだ結果、「思っていたのと違った」と後悔している方をたくさん見てきました。
●「老人ホーム選び」になぜ“時間”が必要なのか?
「老人ホーム選び」は「マンション選び」とは全く違います。大切な親がケアを受けながら、日々の生活を送る場所であるため、 “ハードよりもソフト”が重要です。自宅で生活をしているうちから、最期の迎え方など「親の価値観」を“時間”を掛けて知っていれば、満足度の高い老人ホームを選ぶことができます。
さらに以下の“よりよい老人ホーム選びの5カ条”(ダイジェスト版)をチェック!
※詳細版(当法人HPよりPDFのダウンロード)はこちら
1) 「すぐ入居できます」はNG
老人ホームとして責任もってケアをするためには、事前の慎重な入居判断が必要不可欠。責任ある老人ホームは「すぐ入居できます」とは言えないはず。
2) 昼食の時間を見学
職員の人手やスキル不足の影響が出やすいのは食事の時間。食事の質にも差が出やすい。
※コロナ禍で見学の制限はありますが、感染対策した上での見学は可能です。入居候補の老人ホームは必ず事前に見学してください。
3)職員の離職率
長期間働く職員が多いほど介護の質が高いと想定される。職員の離職率の平均は 15.4%(平成 30 年介護労働安定センター)、45%以上なら危険。
※厚労省の「介護サービス情報公表システム」で、老人ホームの情報を見ることができます。
4) 月額料金は総額の確認
ホテルコスト(家賃、食事代など)の他に掛かる、介護保険の自己負担分、オムツなどの備品代など、総額を確認。
5) 「看取りケア」をやっているか
看取りケアの実践は、リスクを伴うケアでありながら、得られる利益は少ないため、収益確保を優先する施設では実践しづらい。一人ひとりに合わせた取り組みがあれば、熱を入れて語ってくれるはず。
親の介護が始まった時点から“時間”のカウントダウンが始まっています。“時間”のある段階から、「老人ホーム」について考えておくことをおすすめします。