2020.08.19
介護サービスを嫌がる親をどうやって説得するべきか
2020.08.19
●介護する人がよく抱える悩み1:「介護サービスを嫌がる親をどうやって説得するべきか」
このお悩みを解決するには「説得するという考え方を捨てること」です。
「説得」ではなく、お互いに気持ちの余裕がある段階から、自分の将来のこと(仕事や子どものことなど)を語りながら、「お父さん(お母さん)は今後、どうやって生活していきたいの?」と、まずは「話し合い」の場を設けてください。いきなり子どもから「介護サービス」の話を切り出されることは、親にとっては面白くありません。
話し合いの中で「人に頼りたくない」などの意見が出たならば、自分だけで解決しようとせず、介護のプロや孫、自分以外のきょうだいの力を借りことも考えてください。親としてのプライドから目の前の子どもに本心が言えないこともあるからです。
●介護する人がよく抱える悩み2:「親の許可なしに、介護サービスの手配をしてもいいのか?」
答えは「もちろんOKです」。
親がすでに生活不安や病気への恐怖から、冷静な判断ができない状態になっているかもしれません。ただ、いきなりヘルパーを訪問させたりはせず、まずは親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談しましょう。これまでにも似たようなケースに対応してきた職員が、上手に対応できることもあるからです。
特に女性は、他人が自分の生活の中に入ってくることに強い拒絶を示すことがあります。そういう場合は、日中に施設に通って介護サービスやリハビリを受ける「デイサービス」や「デイケア」から始めてみることも検討してください。家の外で介護サービスを受け、心のハードルが下がれば、家の中のサポートも受け入れてくれるようになるかもしれません。
親が拒否をしたからと、家族がなんでもサポートしてしまうと、親は、無意識のまま、頼みやすい家族にどんどん依存していきます。その結果、できなくなることが増え、家族の負担も増えていきます。この誰もためにもならない負のスパイラルや、明らかに介護サービスが必要な状態でありながら、親の言葉に従い続け、誰にも相談しないでいることに、私は強い危機感を抱いています。抱え込んだ時間が長ければ長いほど、介護のプロでさえもその介入が困難になる現実をたくさん見てきました。
「介護中の悩み」は一人で抱え込まず、とにかく早い段階から、プロの力を借りて解決していただければと思っております。