2020.07.02

介護していることを同僚に伝える

介護していることを同僚に伝える

家族の介護をすることになった場合、あなたは上司や同僚にそれを早めに伝えることができるでしょうか?

●「介護」と「育児」を比べて…
「育児」と比べて「介護」は、以下に挙げたように会社に報告する機会も少なく、気軽には話しづらいので、介護をしていることが表に出にくいということを知ってください。

【育児】
・社会保険の手続きなどで自然と会社に伝わる
・女性ならば産休、男性ならば育休を取得
・成長とともにできることが増え楽しいイメージ

【介護】
・ちょっとした手助けから、自身でも気付かないうちに介護がスタートしている
・介護休暇や介護休職ではなく有休で休み始める
・介護はできなくなることが増える暗いイメージ

※部下を持つ上司の方は、このような実態があることを認識し「声が出ないから介護は大丈夫」ではないことを知っておいてください。「自分の親の時も大変だったから、何かあったら早めに声をかけてほしい」と普段から伝えておくことが大切です。

●介護していることを、会社に早めに伝えないデメリット
・追い込まれてから急に会社に伝えて休む
・仕事に穴をあけてしまい会社に迷惑をかける(そのことを後悔する)
・これ以上迷惑をかけられないと介護離職を選択してしまう

●介護をしていることを、会社に早めに伝えるメリット
「少し心配」という段階から会社の同僚や上司に伝えておくことで

・周囲の理解が得られやすい、介護のために休みやすくなる
・早い段階で対処でき、仕事への影響を最小限にできる
・介護離職という選択肢を選ばずに済む

●とにかく「人に話すことがソリューション」
人に話すことで、自分の考えが整理できたり、介護のことが話題にしやすい雰囲気作りにもつながります。

優秀なビジネスパーソンが時に、家族の一大事を担う介護では平常心でいることが難しくなり、仕事のパフォーマンスを急激に落としてしまいます。早い段階から介護の愚痴も含めて自分の気持ちを人に発信できる人が、結果的に、職場に迷惑を掛けず、職場に対する疎外感も抱かず、介護離職を防ぐことができます。

まずはあなたが、介護に対する不安や心配事を上司や同僚に話してみませんか。それにより上司や同僚の理解や手助けがずっと得やすくなります。そして、その小さな一歩が周囲の方が介護や病気などで悩んだときの大きな支えになります。

特に、定年までに殆どの人が何らかの形で親の介護に関わるのが今の日本の社会構造です。プライベートなことを職場では言う必要がないという方もいますが、プライベートなことも言える環境こそ、自身も、同僚も、介護離職をしないためのリスクヘッジとなるのです。

すでに家族の介護を抱えている方は、「誰が」「どんな状況で」「どんな機関とつながっているか・いないのか」だけで構いませんので、できる限り早く上司に伝えてみてはいかがでしょうか。