2020.05.20
なぜ、早い段階から介護はプロの手を借りるべきなのか?
2020.05.20
私は身内の介護は手を借りることができる部分は、プロにどんどん任せるべきと考えています。
●介護する側、される側も辛くなるばかり…
下記の2つの視点から、介護する人は精神的に狼狽していきます。それは介護を受ける本人にも伝わり、結果的にお互いに辛い思いをしてしまいます。
・元気だった姿を知っているからこそ、現状との落差に苦しみ、優しく穏やかに接することが難しい
・大切な家族の老いを受け止められず、自分の気持ちをコントロールすることができなくなる
たとえば、認知症になり手掴みでシャーハンをポロポロ溢しながら食べる親の姿を、あなたは冷静に見ることができるでしょうか?
プロである私であっても自身の親となると難しく、介護の学校でも「自分の親の介護はプロの手を借りるべき」と学んでいます。
●プロの対応法とは?
プロはどういった介護をしてくれるのでしょうか? 「料理」と「買い物」を例に挙げて考えてみようと思います。
〈料理〉
プロ(ホームヘルパー):
本人のできることは本人に任せて、サポートしながら一緒に作る
→結果)人の手を借りながらも、自身で料理を作ることができ、達成感が得られる
家族:
モタモタする姿にイライラして、つい手を出しすぎてしまい、一緒に楽しく作るのは難しい
→結果)家族がさっさと作ってしまい本人の作る能力が減退する。本人は台所を奪われたと思ってしまう
〈買い物〉
プロ(ホームヘルパー):
買い物の主役は本人で、「何を買いますか?」などの声かけで商品を選んでもらう。支払い時は後ろに並んだ客に配慮する声かけをするなどのサポートにより自分で支払ってもらう
→結果)自分で選び、お金を支払うことで「できた」という満足感が得られる
家族:
先に買うものを決め、財布の中のお金を探す姿に周りを気にして家族がお金を払ってしまう
→結果)本人は満足感を得られず、いつも家族が付添わなければならなくなる
一見、親とホームヘルパーが楽しく過ごしているだけに見える時間も、プロはさまざまな考えをもって行動しています。
プロの手を借りることで、家族の心身に余裕が生まれ、昔の思い出をゆっくりする、など家族にしかできない、互いが笑顔になる時間を作ることができます。
継続的にプロの手を借りることで、日常のちょっとした変化に気付けたり、緊急時に柔軟に対応できたり、余裕を持ったかかわりを可能にします。
家族はマネジメントする立場として、介護スタッフがモチベーション高く働いてもらえるような信頼関係の構築に徹することに努めていただければと思います。