2020.05.13

テレワーク中に考えがちな今後の親との関わり方

2020.05.13

テレワーク中に考えがちな今後の親との関わり方

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中で、日々の生活に不安を感じながら、テレワーク中の方もいることでしょう。

●テレワーク後の親との関わり方に「ちょっと待った!」
これまで言い訳にしていた仕事が休業となったり、通勤自粛によるテレワークにより「これからは、家族を支えなければ!」と考える方もいるのではないでしょうか。
たとえば、新型コロナウイルスの影響で、離れて暮らす親が心配になり電話で話す機会が増えた方もいることでしょう。そこで、「もしや、認知症?」と、不安に思うことがあったりすると、「新型コロナウイルスの問題が終息したら、できる限り親の元へ行こう」と、今後の関わり方を見直す方もいるかもしれません。ですが、そこに以下のリスクがあることを忘れないでください。

 ・距離感が近くなると、過剰に頼られてしまう
 ↓
 ・(育児とは違い)期待に応えてやればやるほど、自分で出来なくなることが増える「やりすぎ介護」状態に陥る
 ↓
 ・介護に限界を感じ、介護サービスを頼ろうにも、相談先を探す余力がなく利用できない
 ・家族を頼り切っているので、介護サービスの利用を強く拒否する
 ↓
 ・さらに追い込まれ、虐待してしまったり、介護する側が先に倒れてしまう

こういったケースを数多く見てきました。だからこそ、テレワーク中の思考で陥りがちな今後の親との関わり方に「ちょっと待った!」と、冷静な判断をお願いしたいのです。

●冷静な判断をするために必要なことは?
・なんでも助ける「やりすぎ介護」は互いにとってプラスにならない
・仕事が忙しくてできなかった罪悪感を持たなくてよい

これまでと同様に距離を取った関わりを大切にしてください。介護を家族だけですることは非常に難しいものです。介護のプロであっても、自身の家族の介護を冷静に受け止めるのは困難なために、私は介護の学校で「技術があっても家族の直接介護はやってはならない」とさえ教わりました。

 コロナ禍で家族の生活を直視する機会が増え、将来に不安を感じることもあると思います。ただ、その不安を1人で解決しようとしないでください。
「冷静な判断」をするためにも、今、不安に思っていることを周りやプロに相談し、「親に本格的な介護が必要なっても、心に余裕を持って関わることができるか」をシミュレートできる時だと、前向きに捉えていただければと思っています。