2020.04.15
「在宅勤務」により「隠れ介護」をする人が増えてしまう!?
2020.04.15
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、「在宅勤務」を実施する企業が増えています。
身内に介護が必要な人がいる場合、これを機にできるだけ近くにいることができるために、「これからは家族で介護をしよう!」と考えてしまう方が少なくありません。ですが、私はそこに危機感を抱いています。
●「在宅勤務」をしながら介護をする危険性
~在宅勤務により在宅介護が崩壊してしまうプロセス~
1.「かわいそう」と、介護が必要な家族の要望に何でも自分で対応
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2.介護が必要な家族は身内を頼り、自分でできることが少なくなっていく
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3.どんどん介護する量が増え、負担も増える
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4.日中は介護で手一杯になり、夜間に仕事が持ち越され、睡眠時間が削られてしまう
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5.睡眠不足や介護ストレスにより体調を崩す。ストレスにより、虐待をしてしまうことも。
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6.共倒れになる
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7.空きがある料金の高い有料老人ホームなど、急遽入所したため、その施設の良し悪しもわからないまま、介護が必要な家族を慣れない施設などに入所させることになる
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8.入所した家族が混乱し、認知症などの症状が進んでしまうこともある
●在宅勤務で“隠れ介護”になる危険性
在宅勤務では介護をしながらも、寝ずに仕事をすればなんとかこなせてしまいます。すると寝不足などで思考能力が下がり、自ら助けを求めにくくなり、深刻な状況に陥っていても誰からも気づいてもらえない“隠れ介護”状態なってしまいます。これが共倒れに繋がってしまうのです。
●在宅勤務で「仕事」と「介護」を上手に線引きできる?
「在宅勤務」をしながらでも上手に「介護」をされている方もいます。ただし、そういった方は、すべてを抱え込むのではなくデイサービスやショートステイなどの介護サービスを利用している間に、集中して仕事をするなど、「仕事」と「介護」の線引きが上手にできています。常に家族が家にいるとしても、プロの力を借りることが「在宅勤務」をしながら「介護」を上手にしていく秘訣となるのです。
●家族だからこそできるサポートとは?
人に介護を任せることに罪悪感を持つなど、自分のつらい気持ちに耐えかねて「在宅勤務」中に、家族の「介護」をすることも選択していないでしょうか。そんなときは介護されている人が本当に望んでいることを改めて考えてみてください。きっと、「仕事」と「介護」の板挟みになり苦しむ姿ではなく、仕事にやりがいを持ち充実した生活をしている姿を見せることが、家族だからこそできる大切なサポートにつながります。