となりのかいごとは
家族と自然に過ごせる社会
介護を理由に家族の
関係が崩れてしまうことなく
最期までその人らしく自然に
過ごせる社会を目指します。
家族の幸せな時間をつくる
仕事を辞めて時間を作り、
制度や介護の仕方を勉強しながら、
直接身の回りの世話をしなければいけない。
介護はそんなイメージを持たれています。
しかし、家族がやるべき介護への関わり方は
新しい知識を身につけて
立ち向かうものではありません。
大切なことは、どんなに長く続いても疲弊しない距離感を冷静に見定めて
となり近所や介護のプロの力をかりながら
自然で無理のない関わり方を
見つけることです。
“となりのかいご” は
50万通りの家族孝行を一緒に考え
「誰もが最期まで家族と自然に過ごせる社会」
の実現に取り組んでいきます。
懸命に関わるからこそ虐待してしまう。
「育ててもらった恩返しをするために、後悔しないよう介護したい」
がいつの間にか
「こんなに一生懸命やっているのにどうして上手くいかないの」
「優しく接したいのに、どうしても怒鳴ってしまう」
「いつまで続くのか、、、と思って涙が出てくる」
となってしまうことがあります。
大切な家族を介護し、老いを直視し過ぎると
気持ちがかき乱されてしまい、
時に怒りに変わってしまうことがあります。
直接世話する事が大切な家族を虐待してしまうリスクとなるため
介護が必要となった家族との距離感を大切にし、
できる限り周囲を頼ることが重要です。
介護職員、家族・親族らの高齢者虐待件数の推移(図)と
家族・親族による虐待件数の内訳
- 虐待相談・通報件数 : 40,386件 (前年+2,095件)
- 虐待と判断された件数 : 17,100件 (前年+431件)
- 息子が虐待をしてしまうケース : 7,100件 (全体の38.7%)
- 娘が虐待をしてしまうケース : 3,459件 (全体の18.9%)
- 夫が虐待をしてしまうケース : 4,178件 (全体の22.8%)
- 虐待によって亡くなってしまった方 : 27名
(出典)令和5年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果/厚生労働省資料より作成
介護に一生懸命だからこそ虐待してしまうプロセスを断ち切るため、介護支援コンサルティング、普及啓発を事業の柱として、制度、サービス、となり近所などに頼り、家族に愛情を注ぐ「となりのかいご」という考え方の大切さを伝えています。
川内 潤
KAWAUCHI JUN
お世話になった大切な人だから、自分の手で介護をしたい。そのように思うことは自然なことです。しかし、自分の世話のために大切な人の生活が犠牲になることは、介護をする人にとってもされる人にとっても幸せな形ではありません。
そして、思いが強ければ強いほど、上手くいかない時に気持ちがかき乱され、大切にしたかった相手を苦しめてお別れの日を迎えることになってしまいます。
家族がやるべきことは、食事やトイレの手伝い、見守りなどの介護ではなく、家族にしかできない愛情の傾け方を見つけることです。日常生活に支援が必要となってもその人らしい生活を送ることができるよう、介護のプロやとなり近所と一緒に考え続けることこそが、最高の家族孝行です。
1980年生まれ。上智大学文学部社会福祉学科卒業。老人ホーム紹介事業、外資系コンサル会社、在宅・施設介護職員を経て、2008年に市民団体「となりのかいご」設立。2014年に「となりのかいご」をNPO法人化、代表理事に就任。厚労省「令和2年度仕事と介護の両立支援カリキュラム事業」委員、育児・介護休業法改正では国会に参考人として出席。
一生懸命であるがゆえに視野が狭くなってしまう前にまわりに頼ることができるよう、
自ら手を挙げる様子をモチーフにしました。
介護について、誰もがとなり近所に相談できる社会を実現したいという想いを込めています。
理事・監事紹介
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坂本純子
SAKAMOTO JUNKO
老人ホーム紹介業、医療・介護系人材転職支援を経て、現在は心理カウンセラー・セラピストとして活動。ご家族の介護をされている方や介護職に付いている方が、安心して介護に向き合うことができるよう、カウンセリングを通じて支援している。代表川内とは老人ホーム紹介業の立ち上げを行い、11年ぶりに再会、事業立ち上げを行う。
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川崎裕彰
KAWASAKI HIROAKI
在宅・施設介護職、在宅介護支援センターを経て、地域包括支援センターに勤務、高齢者虐待対応を中心とした権利擁護事業等を担う。現在は、独立型社会福祉事務所を設立しフリーのソーシャルワーカーとして活動中。代表とは都内介護者の会主催の勉強会で知り合い、協働する機会が増え、となりのかいご理事に就任。認知症介護研究・研修仙台センター「高齢者虐待に伴う死亡事例等 検証の手引き」検討委員
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外岡潤
SOTOOKA JUN
東京大学法学部卒業。弁護士。日本初の介護トラブル解決専門法律事務所「おかげさま」を巣鴨(現:新宿)に開設。ケアマネジャー向けリスクマネジメントセミナー・法律講座を全国各地で担当する。老人ホーム入居後のトラブル相談にも対応する。代表川内と同じ年で同じ名前というきっかけもあり、となりのかいご理事に就任。
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荒井正志
ARAI MASASHI
理想を追求するあまり志半ばで頓挫していく団体を目の当りにし、どうにかしなければ、という想いでNPO法人設立支援や遺言相続を主な業務として行ってきた行政書士。代表川内とは数年前から何度も酒を飲み交わし、非営利法人運営や介護について熱く語り合う。となりのかいごのNPO法人化支援にかかわり、理事に就任。
沿革
市民団体「となりのかいご」として活動開始
NPO法人化